映画パンフレットアーカイブ

日本独自の文化である映画のパンフレット。映画鑑賞後にパンフレットを買うか買わないか、いつも思案しています。そんな折に、パンフレットの内容や写真の充実度が掲載されているサイトがあればと思い、このブログを立ち上げました。皆様の映画鑑賞と作品理解のお役に立てれば幸いです。

『グリーンブック』

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監督:ピーター・ファレリー

脚本:ニック・バレロンガ&ブライアン・カリー&ピーター・ファレリー

製作:ジム・バーク他

提供:ギャガ、カルチュア・パブリッシャーズ

配給:ギャガ

発行者:大田圭二

発行者:東宝映像事業部

編集:東宝ステラ

定価:800円

ページ数:24ページ

 

Introduction(P2-3)

Story(P4-5)

Cast ヴィゴ・モーテンセン(P6-7)

   マハーシャラ・アリ(P8-9)

Column 町山智浩(映画評論家)

「グリーンブックが導いた ディープサウスへの旅」(P11)

Director Interviewピーター・ファレリー(P14)

Other Cast Interview リンダ・カーデリー二(P15)

Column2 村尾泰郎(音楽/映画ライター)

「孤高の天才ピアニストが旅を通じて見つけたもの」(P17)

Column3 誉田哲也(小説家)

「構造、テーマ、メッセージ、そしてセッション」(P19)

Production Notes (P22-23)

Tour Map (P24)

 

シンプルな表紙に綺麗なライトグリーンの裏表紙

タイトルロゴは金色で逆エンポス加工(なんていうの?)で高級感を感じる。

が…内容が薄い。

インタビュー記事は最低限掲載されており、解説も最低限のラインではあるものの、映画自体が色々な社会問題を優しいタッチで扱っているため、パンフレットではもっと深掘りしてもよかったのではないだろうか。

例えばフライドチキンを巡る黒人差別の問題やグリーンブックについて(町山さんの解説で補われてはいるが)もう少し映画から離れたコラム記事があったらなお一層作品の背景に潜むものに対する理解が深まったと思う。

ツアーマップを掲載してくれた点はよかった。

左ページに写真、右ページにコラムという構成は作品のシーンを思い浮かべながら記事を読むことができ、良いページ構成だったと思う。

改めてFOXサーチライトマガジンの偉大さを知るのであった。

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『クリード 炎の宿敵』

 『CREED Ⅱ』(アメリカ・2018)

監督:スティーブン・ケイブル・Jr

脚本:チェオ・ホダリ・コーカー

製作:アーウィン・ウィンクラー

 

日本公開:2019年

上映時間:130分

配給:ワーナーブラザーズ

字幕:アンゼたかし

映倫区分:G

 

総ページ数:34P

サイズ:B5に近い長方形

値段:850円

カラー写真:56枚(劇中写真、メイキング、ロッキーⅣ)

モノクロ写真:26枚(劇中写真、メイキング)

表紙:ポスター写真と同一

背表紙:無し

編集・発行:松竹株式会社 事業部

編集:広瀬友介

 

コンテンツ

Introduction(P2)

Story(P3)

Interview マイケル・B・ジョーダン(P4-5)

    シルベスター・スタローン(P6-7)

    テッサ・トンプソン(P8-9)

    ドルフ・ラングレン(P10-11)

               フロリアン・ビッグ・ナスティ・ムンテアヌ(P12-13)

Review「殴られても退かない男たちの実人生と映画」by町山智浩映画批評家)(P14-15)

Column「クーグラー、ジョーダン、ケイプルJr.----。ミレニアム世代が創造する新たな神話」by大場正明(評論家)(P16-17)

Column2「イワン・ドラゴ、33年後のリアリティ」by関根虎洸(フリーカメラマン/元プロボクサー/現トレーナー)(P18-19)

Column3「夕暮れのリングー。次世代に託す、父親たちのメッセージ」by森直人(映画批評家)(P20-21)

Column4「父と子のリングー。イワンが見せた父としての顔」by赤坂英一(スポーツライター)(P22-23)

Interview スティーブン・ケイブル・Jr. (P24-25)

Staff Profiles (P26)

Back To Rocky Ⅳ 「ロッキー VS ドラゴ すべてはここから始まった。」by神武団四郎(

映画ライター)(P27-28)

Production Notes(P29-32)

 

コメント

充実のインタビュー記事と写真はもとよりコラムも申し分ない。

一番好きな映画に『ロッキー』を挙げる町山氏を筆頭に、映画批評家だけでなく元プロボクサーやスポーツライターの寄稿文が掲載されている点も評価が高い。

ロッキーⅣが見たくなった。素晴らしいパンフレット。『ロッキー』『クリード』ファンはマストバイ!

 

 

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レディ・バード

『Lady Bird』(2017)

監督:グレタ・ガーウィグ

脚本:グレタ・ガーウィグ

 

日本公開:2018年

上映時間:94分

配給:東宝東和

字幕:稲田嵯祐里

 

ページ数:29

サイズ:261 x 160

値段:¥750

カラー写真:14枚(劇中シーン)

モノクロ写真:16枚(キャストのプロフィール画像等、小さめの写真中心)

表紙:オリジナルデザイン(アート系)

背表紙:なし

編集・発行:東宝映像事業部

編集:東宝ステラ

 

コンテンツ

イントロダクション&ストーリー (P3)

シアーシャ・ローナン プロフィール (P4)

シアーシャ・ローナン インタビュー   (P5)

キャスト(P6-7)

エッセイ  山崎まどか (コラムニスト)(P8-9)

エッセイ  大寺眞輔 (映画批評家)(P10-11)

監督プロフィール (P12)

グレタ・ガーウィグ Q&A (P17-21)

レディ・バード』座談会 夏目知幸(ミュージシャン) X 野中モモ (翻訳家/ライター)X 森直人(映画批評家/ライター)(P22-24)

スタッフ (P25)

 

コメント

表紙は写真ではなくアーティスティックなデザインを採用している点が良い。

劇中写真も豊富でコラムも充実。

面白い点はエッセイを寄せている人々がそれぞれに『レディ・バード』と「二本立てで見るなら何を見る?」というコーナーがあること。読者の皆さんも考えてみると面白いと思う。

文字ページは薄いピンクの紙面に黒文字で書かれていてオシャレではあるが少し読み辛い。

本作品が大好きな私はマストバイなパンフレットではあるが、内容的に少し物足りなさもあるだろう。

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アンダー・ザ・シルバー・レイク

『UNDER THE SILVER LAKE』(2018)

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル

脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル

プロデューサー:デヴィッド・ロバート・ミッチェル

 

日本公開:2018年

上映時間: 140

配給:GAGA

字幕:松浦美奈

映倫区分:R15+

 

ページ数:56 

サイズ:A5版

値段:¥1,000

 カラー写真:42枚

モノクロ写真:23枚

表紙:メタリック

背表紙:英字タイトルあり

編集・発行:松竹株式会社 事業部

編集:森岡裕子

 

コンテンツ

Introduction (P9)

Review 「亡霊と発熱」芝山幹郎(評論家)(P10-11)

デヴィッド・ロバート・ミッチェル(監督/脚本/プロデューサー)のコメント (P12)

SAM'S ECCENTRIC 6 DAYS  KEYWORDS 辛島いづみ(エディター)(P13-40)

HOBE CODE 表 (P28)

CAST (P41)

Interview デヴィッド・ロバート・ミッチェル(監督/脚本/プロデューサー)(P42-44)

Staff リスト(P45)

Production Notes(P46−47)

COLUMN 「デヴィッド・ロバート・ミッチェルが紡ぐイメージの迷宮」 鬼塚大輔(映画評論家)(P48-49)

About Silver Lake 猿渡由紀(映画ライター)(P50-51)

Column 「ニルヴァーナR.E.M.ピクシーズ。『アンダー・ザ・シルバーレイク』に仕掛けられたオルタナティブ・ロックの暗号」 宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)(P52-53)

Production Notes 2 (P54-55)

 

 

コメント

今年一番内容の充実度の高いパンフレットだと思います。映画自体が謎を多く含む内容であるため、本書が本作のカルチャー的側面の理解を深める手助けをしてくれます。

ZINEのようなオシャレな編集で、小さい写真が多いものの膨大な数の写真が掲載されている点も評価できます。

基本的には大きなパンフレットを好んでおりますが、この本に関してはA5版のサイズが正に適切でページをめくる度に、まるで主人公サムのように謎解きに興じているようなワクワク感が味わえます。

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